作品紹介
予告
あらすじ
犯罪組織の殺し屋として育てられたスクヒ(キム・オクビン)は、育ての親ジュンサン(シン・ハギュン)にいつしか恋心を抱くようになり、二人は結婚する。甘い新婚生活に胸躍らせるが、ジュンサンは敵対組織に無残に殺害されてしまう。逆上したスクヒは復讐を実行するが、国家組織に拘束され、10年間ミッションを務めれば自由になるという条件で、国家直属の暗殺者となる。やがて運命の男性と出会い、幸せを誓うが、結婚式当日に新たなミッションが降りかかる……。
所感
タイの刺客ジージャー・ヤーニンの衝撃、再び
アクション映画好きとしてまず触れておきたいのが、タイの傑作格闘映画『チョコレートファイター』で世界を驚かせたジージャー・ヤーニンの存在。
| 「チョコレートファイター」の「ジージャー」 |
本作の主人公のキレッキレの動きを見た瞬間、あのジージャーを初めて観た時の衝撃の再来を予感して、一気にテンションが上がりました。
酔うほどリアル!進化系POVアクションの凄み
少し前に、全編完全主観映像で展開する『ハードコア』という斬新な作品がありましたが、
本作『悪女/AKUJO』も出だしからそれにインスピレーションを受けたようなバチバチのPOV(主観映像)アクションでガンガン飛ばしてきます。
実はこのオープニングシーン、第70回カンヌ国際映画祭のミッドナイト・スクリーニング部門で上映された際、あまりの凄まじさにスタンディングオベーションが起きたという逸話があるほど。
おー!と期待しつつも、これだけ画面が揺れるとちょっと何が起きてるか分かりにくいなーと思っていると、当然自分が鏡に映ります。と、ここからは1人称が鮮やかに解除。
み、見やすい・・。
やっぱりアクションで長時間のPOVは視覚的にキツいというのを制作陣も分かっているんでしょうね。以降も何度か合間にPOVアクションを挟んでくるのですが、演出としての没入感アップだけでなく、撮影テクニックとしてアクションの粗をいい意味でごまかし、スピード感を底上げする手法として非常に賢く使われている印象を受けました。
ちなみに本作のバイクでのチェイス&ソードアクションは、のちのハリウッド映画『ジョン・ウィック:パラベラム』のアクションにも多大な影響を与えたと言われています。
意外にも重厚?スパイものとして成立するストーリー
さて、ストーリーのほうはというと意外や意外。単なるアクションの連続ではなく、結構ちゃんとしたプロットが練られています。
敵も味方も、微妙な詰めの甘さがツッコミを入れたくなるところですが、まあそこはご愛嬌。その部分だけ目をつぶれば、韓国映画特有のドロドロとした情念や、過酷な運命に翻弄されるスパイものとしての体裁はしっかりと保たれています。
唯一気になった古臭い演出と総評
あ、1点だけどうしても目をつぶれきれなかったシーンが一つ。
ヤクザの犯罪組織の幹部が、小さいマンションの1室で監禁した相手にわざわざ刃物を渡して、遊んでやると煽るシーンがあるんやけど、いくら仲間が守ってるとはいえ、ちょっとアブなすぎへん!?
こんな狭い間合いで、しかも監禁相手はただの素人でもないのにナイフを渡して、周囲が全員銃武装してても絶対事故あるって!と内心ツッコミが止まりませんでした。もしこれで、暴れた相手が勝ってしまったりしたらどうしようと、少し違う意味でハラハラドキドキしました。もうぼちぼち、こういう死亡フラグ全開の古臭い演出はやめて欲しいもんです。
とはいえ、ほぼ全編を通して圧倒的な熱量と痛々しいバイオレンス映像が満載の作品ですんで、流血などそっち系が苦手な人にはすすめませんが、問題なければ間違いなくお勧めのアクション優良作です。
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