
作品紹介
予告
あらすじ
天才的なドライビングテクニックを持つ寡黙な“ドライバー”(ライアン・ゴズリング)は、昼間は映画のカースタントマン、夜は強盗の逃走を請け負う運転手という2つの顔をもっていた。ある晩、仕事を終えたドライバーは、同じアパートに暮らすアイリーン(キャリー・マリガン)と偶然エレベーターで乗り合わせ、一目で恋に落ちる。次第に親しくなっていく2人だったが、ある日、アイリーンの夫スタンダード(オスカー・アイザック)が、服役を終え戻ってきた。アイリーンは、ドライバーに心を残しながらも家族を守る選択をし、ドライバーも一旦は身を引き、家族から距離を置く。しかし、ある晩、ガレージで血まみれで倒れているスタンダードを発見。服役中の用心棒代として多額の借金を負ったスタンダードは、マフィアから妻子の命を盾に、強盗をするよう脅されていたのだ。絶体絶命のスタンダードは、ドライバーに助けを求め……。(AMAZONより引用)
所感
予定調和を壊す“あらあらしさ”
お話自体は「あらすじ通り」といえばそれまでで、特別に奇抜な設定があるわけではありません。
それでもこの映画には、大作映画にはない“気概”や“あらあらしさ”を強く感じました。
ジャンルとしてはクライムサスペンスですが、単なる犯罪映画には収まらない独特の存在感があります。
前半のラブストーリー、後半のバイオレンス
映画は前半、少し渋めのラブストーリーとして始まります。
ライアン・ゴズリング演じる寡黙なドライバーと、キャリー・マリガン演じる“夫が服役中の人妻”の交流が、しっとりと描かれるのです。
ところが後半になると、物語は一気に静かなるバイオレンスムービーへと雪崩れ込みます。
暴力描写はかなり強烈なので、このあたりが苦手な方は要注意です。
主役ライアン・ゴズリングの存在感
とにかく光っていたのが、ライアン・ゴズリングの存在感。
彼は驚くほどセリフが少なく、主演なのにほとんどしゃべらない。
にもかかわらず、彼の表情や間、そして演出の妙によって、観客を圧倒するほどの存在感を放っています。
この“無口な主人公”像は、その後の『ラ・ラ・ランド』や『ブレードランナー2049』など、彼のキャリアに繋がる一つの原点といえるかもしれません。
キャリー・マリガンの魅力
ヒロイン役のキャリー・マリガンも素晴らしい。
少し疲れた人妻を演じながらも、どこか健気で守りたくなるような存在感を放っています。
ここで思い出したのが、映画『タイタニック』のケイト・ウィンスレット。
あのときは正直、「なんでこんなバカ女を守らなきゃいけないんだ」と思ってしまい、感情移入できませんでした(もちろんケイト本人のせいではなく、脚本上のキャラ造形ですが)。
対してキャリー・マリガンの役は、観客に“守ってあげたい”と思わせる説得力がしっかり描かれている。
だからこそ主人公が彼女に惹かれる流れに自然と納得できるのです。
脇役陣の存在感
さらに脇を固める俳優陣も豪華。
『ヘルボーイ』でお馴染みのロン・パールマンも悪役として登場。
年を重ねて渋みを増した彼の演技も光っていました。
突っ込みどころ
もちろん、気になる点もあります。
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「5分間だけ待つ」という“逃がし屋のルール”が、思った以上に活かされていない
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仮面をかぶる意味があまり描かれていない
など、設定がもったいなく感じる部分はありました。
それでも全体としては、“滑り込みで観られてよかった!”と思わせてくれる映画でした。
軽いうんちく
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監督はデンマーク出身のニコラス・ウィンディング・レフン。この作品で一躍国際的に注目され、カンヌ国際映画祭監督賞を受賞しました。
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音楽も大きな魅力で、特にカヴァンスキーの「Nightcall」は映画とセットで語られる名曲。シンセポップと映像美が融合し、作品の雰囲気を決定づけています。
忠臣蔵?!
- https://drive-movie.jp/aboutthemovie.html
によると脚本を担当したホセイン・アミニの次回作が、キアヌ・リーブス版 忠臣蔵「47RONIN」とのこと。ちょっとバカにしてたけど期待できるのかーとか思って、公式サイトみてみたけど書いてないんやん!どういうこと!?脚本家以外で参加ということなの?
まとめ
『ドライブ』は、
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前半は抑制の効いたラブストーリー
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後半は静かで過激なバイオレンスムービー
という二面性を持つ、まさに“異色のクライムサスペンス”。
予定調和のないざらついた質感と、ライアン・ゴズリングの存在感、そしてキャリー・マリガンの説得力あるヒロイン像が強烈に記憶に残ります。
暴力描写が大丈夫な方には、強くおすすめしたい映画です。
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