「THE ORIGIN OF ULTRAMAN」|ウルトラマン」という名の呪縛と継承

作品紹介

予告



あらすじ 

特撮ドラマシリーズの金字塔「ウルトラマン」の60周年を記念して製作されたドキュメンタリー。

映画監督のギレルモ・デル・トロ、是枝裕和、ニコラス・ウィンディング・レフン、ゲームクリエイターの小島秀夫、アニメ監督の庵野秀明、特撮監督・映画監督の樋口真嗣ら国内外の第一線で活躍する人々が独自の視点で語りつくし、「ウルトラマンとは何なのか」という疑問をひも解いていく。主人公がヒーローでありながら怪獣のバックグラウンドも丁寧に描くという世界観や、ウルトラマンと怪獣双方の造形が持つ強い魅力に迫るとともに、円谷英二や当時のスタッフの発想と仕事にも光を当て、ウルトラマンがどのようにして世界へ広がっていったのか、その歩みをたどる。

所感

ウルトラマンを知らない世代が、なぜ怪獣の名前を言えたのか?

アニメ『ザ☆ウルトラマン』や『ウルトラマン80』がリアルタイムで放映されていた80年前後。当時、その放送に合わせて旧作の再放送をよく観ていた気がするのですが、なぜか初代の『ウルトラマン』だけは観る機会がありませんでした。

それにもかかわらず、本編を観ていないはずの自分が怪獣の名前をスラスラ言えたのは、当時の子供たちがむさぼり読んだ「コロタン文庫」をはじめとする怪獣図鑑のおかげです。

1960〜80年代を生きた人間にとって、「ウルトラマン」や「仮面ライダー」といった特撮ヒーローはそれほど大きな存在でした。不思議なことに、怪獣の名前はあれほど覚えているのに、仮面ライダーの怪人はほとんど覚えていません(これは自分だけかもしれませんが…)。そして、この脳内の記憶領域は、後にガンダムの「モビルスーツ」へと引き継がれていくことになります。

だんだん何を書いてるのかわからなくなってきたのですが・・・

要は、今日に至るまで、ウルトラマン、仮面ライダー、ガンダムの派生シリーズが作られ続けているのを見ると、当時の特撮やアニメは、今の世代にも形を変えて影響を与え続けているのだと実感します。それほどまでに巨大な存在な一つである「ウルトラマン」に魅せられた世界中のクリエイターたちの証言を集めたドキュメンタリーが、今回の『THE ORIGIN OF ULTRAMAN』というわけです。

ギレルモ・デル・トロと庵野秀明が語る「ウルトラマン」という名の呪縛と継承

作中に登場するクリエイターの中で、個人的に特に熱かったのがギレルモ・デル・トロ監督です。『パンズ・ラビリンス』など大好きな作品を世に送り出してきた巨匠ですが、彼もまた幼少期に日本の特撮に影響を受け、その情熱が後の『パシフィック・リム』へと結実したと語ります。地球の裏側で自分と同じようにウルトラマンを観て育ったという話は、なんだかとても不思議で感慨深いものがありました。

また、国内からは『エヴァンゲリオン』の庵野秀明監督や、『ガメラ』『シン・ゴジラ』の樋口真嗣監督ら第一線のクリエイターが登場します。

中で印象的だったのが、庵野監督の「ウルトラマンは呪い」という言葉でした。一見ネガティブに聞こえますが、それほどまでに強い衝撃を受け、縛られ、それを超えようと表現を続けていくという意味での「大いなる継承」なのだと感じます。

名作と呼ばれる作品は、さまざまな人々に影響を与え、その影響を受けた人がまた新たな作品を生み出し、次の世代へとバトンを渡していく。これは科学の発達と同じで、先人の知恵や情熱の積み重ねのうえに今のエンタメがあるのだと気づかされます。文化の継承とは、まさに人の営みそのものです。

リマスター映像を劇場で観る価値|ウルトラマン世代もそうでない人も映画館へ

インタビュー自体はテンポよく切り替わり、合間には当時の貴重な映像や関係者の証言が差し込まれます。何より、鮮明にリマスターされた当時の『ウルトラマン』の映像をスクリーンの大画面で観られるだけでも、映画館に足を運ぶ価値は十分にあります。

ウルトラマンを見て育った大人はもちろん、何かしらの「創作物」に心を動かされた経験があるすべての人におすすめしたい作品です。ぜひ劇場で、その熱量と歴史を感じてみてください。





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