2004年にルーマニアで実際に起きた殺人事件を元にした興味深い作品、「死霊院 世界で最も呪われた事件」見てきました!
作品紹介
予告
あらすじ
アデリーナという23歳の修道女が、3日間監禁された後に死亡するという事件が起こった。逮捕されたのは、同じ修道院のディミトリ神父。彼は、その修道女を拘束し悪魔祓いを行っていたという。ジャーナリストのニコールは、真相を究明するためルーマニアへと向かった。アデリーナは確かに悪魔に憑依されていたと証言する者もいた。そして、悪魔祓いが途中で中断されたことにより、悪魔は完全に消え去ってはいないという…。(出典:Amazon)
所感
実話ベースの設定と修道院の空気感はかなり好み
悪魔祓いの最中に修道女が死亡し、その殺人犯として神父が逮捕される。
そして一人の記者が、その裏に隠された真相を追う——。
この導入部の設定、かなり惹かれます。
舞台となるルーマニアの修道院も、石造りの建物や薄暗い回廊、閉ざされた宗教空間ならではの重苦しい空気がしっかり出ていて雰囲気は上々。
「これは地味で陰湿な、実話系ホラーかもしれないぞ」と、序盤はかなり期待が膨らみました。
期待していた“静かな恐怖”とは違った方向性
ただし、その期待は中盤以降で少しずつズレていきます。
実際の事件が元になっているという触れ込みから、もっと抑制された、じわじわ来るタイプのホラーを想像していたんですが……。
憑依されるシーンが意外と派手。
叫ぶ、暴れる、体が反り返る、音で驚かす。
このあたりが急にテンプレ悪魔憑きホラー全開になってしまって、正直ちょっと冷めてしまいました。
実話ベースならではの生々しさや後味の悪さを、もっと前面に出してほしかったところです。
ビックリ演出の多用で安っぽさが加速
さらに残念だったのが、いわゆる「驚かせ演出」の多さ。
窓バーン!
振り返ったらギャー!
1、2回ならまだしも、かなりの頻度で繰り返されます。
その結果、せっかくおちついた感じの修道院ホラーだったのに、だんだん安っぽいホラー映画の印象に。
音量とカメラワークで驚かせるタイプの演出は、乱用するとどうしても緊張感が薄れてしまいますね。
MDGP作品だが“デンジャラス感”は皆無
今回はMDGP(モースト・デンジャラス・シネマ・グランプリ2018)の一本として鑑賞しましたが、
正直、まったくデンジャラスな感じはしませんでした。
尖った表現もなく、後を引く怖さもなく、全体的に丸い。
良く言えば見やすい、悪く言えば刺激がない。
MDGP作品としては、かなりおとなしい部類だと思います。
「ヘレディタリー」の呪いから逃れられない問題
これはこの映画だけの問題ではないですが、
どうしても昨年の「ヘレディタリー/継承」の衝撃が強すぎるんですよね。
あれを体験してしまうと、普通のホラーはどうしてもあっさり感じてしまう。
本作もまさにそのパターンで、「悪くはないけど、全然足りない」という印象が残ってしまいました。
紛らわしすぎる邦題と、原題の意味
ちなみに「死霊院」という邦題。
どう考えても「死霊館」シリーズを意識してますよね……。
ですが、はっきり言っておきます。
本作は「死霊館」シリーズとは一切関係ありません。
なお原題の「The Crucifixion」は、「磔(はりつけ)」という意味。
このほうが内容的にも、雰囲気的にもよっぽど合っている気がします。
まとめ:暇つぶし以上でも以下でもないホラー
雰囲気や設定は悪くない。
実話ベースという素材も魅力的。
ただし、演出が凡庸で、怖さも尖りも足りない。
結果として、強く印象に残るホラーにはなりきれませんでした。
あまりおすすめはしない一本ですが、
本当に暇で暇でしょうがないとき、
「とりあえず何かホラーを流したい」くらいの気分なら、まあアリかもしれません。
期待値は、かなり低めでどうぞ。
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