30年以上たっても色あせない4Kリマスターでよみがえる名作「AKIRA」、IMAXにて見てきました!
作品紹介
予告
あらすじ
2019年のネオ東京。ある夜、金田をリーダーとするバイクの一団のメンバー・鉄雄が負傷した。彼は突如現れた軍用へリでラボに運ばれ、不思議な力に覚醒する。一方、街ではゲリラたちの銃撃戦が始まる中、謎の軍用兵器「アキラ」の覚醒が予言される。暴走する鉄雄と、鉄雄を取り戻そうとする金田の戦いが始まった! (出典:Amazon)
所感
4KリマスターとIMAXで蘇るネオ東京の圧倒的没入感
名作は色あせないという言葉がありますが、今回の4Kリマスター版AKIRAはまさにその証明。
初公開当時、私はまだ子供で、「AKIRA」というすごいアニメ映画があるらしい…という程度の記憶しかありません。テレビや雑誌でリップシンクの技術が話題になっていたのを、なんとなく覚えています。
少し成長して家にVHSが届き、近所にレンタルビデオ店ができた頃。なけなしのお小遣いで初めて借りたのが、この『AKIRA』でした。
それまで観ていた一般的なテレビアニメとは一線を画す、圧倒的に緻密な描き込み量。初めて鑑賞したときのあの衝撃は、今でも鮮明に覚えています。
それが今回、IMAXの巨大スクリーンと4Kという最高峰の映像技術によって、まるで脳内に直接ネオ東京の空気感が流れ込んでくるかのような、凄まじい臨迫感へと進化していました。
かつて映画『地獄の黙示録』のデジタルリマスターを観た時にも感じましたが、現代の修復技術は過去のフィルムに眠っていた真のポテンシャルを引き出す魔法のようです。このクオリティで体験できるのであれば、『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』といった、同年代のスタジオジブリの名作たちもぜひ4Kリマスターで観てみたいという贅沢な願望さえ湧いてきます。
脳裏に焼き付く芸能山城組による音楽とケチャの怪物的魅力
本作の唯一無二の空気感を決定づけているのが、芸能山城組によるBGMです。
初めて聴いたときは、「だーん、だっだーん」という強烈なリズムや、人の声だけで構成された謎の呪術的サウンドに、なんじゃこりゃとただただ驚愕しました。エンディングで木琴のような音に合わせてキャラクターの名前を連呼し、ら、せいら、ら、せいらと繰り返すサビに至っては、トランス状態に陥るかのような強烈なインパクトがあります。
この音楽の背景にあるのが、インドネシアのバリ島に伝わる伝統芸能ケチャや、民族音楽のガムランです。大友克洋監督はコミックの連載当時から芸能山城組の音楽を聴きながら執筆しており、映画化にあたっては彼ら以外に音楽はあり得ないと直々にオファーを出したという逸話があります。
伝統的な民族音楽とサイバーパンクという、一見すると相反する要素を融合させたこの先駆的な試みこそが、30年以上経った今でも世界中のクリエイターに影響を与え続けるAKIRAの狂気を支えているのです。
30年前の職人たちが到達した狂気的なクオリティとハリウッドへの期待
今から30年以上も前に、これほどのクオリティの作品がすべて手描きのアナログ手法で作られていたという事実は、現代の視点から見ても驚異的です。
当時話題になっていたリップシンクに関しても、一般的なアニメのように絵に合わせて声をあてるアフレコではなく、先に声を録音してからその口の動きに合わせて作画を行うプレスコという非常に手間のかかる手法が採用されています。キャラクターが本当に生きているかのように生々しく喋るあの映像は、当時のアニメーターたちの執念と膨大なセル画の枚数によって支えられていました。
映画ファンとしては、何度も噂に上がっては立ち消えているハリウッドによる実写化企画の動向も気になるところです。映画『アリータ:バトル・エンジェル』がそうであったように、原作やアニメ版への深いリスペクトと愛を持ったスタッフの手によって、現代の最新VFXでリメイクされた新たなAKIRAを観られる日が来ることを切に願っています。
結論:時代を超えて人々を魅了し続けるAKIRAという奇跡
劇場を出たあとも、しばらくネオ東京の残像が頭から離れませんでした。
30年以上前のクリエイターたちが命を削って生み出したマスターピースは、4KリマスターとIMAXという現代のテクノロジーによって、当時の熱量をそのままに、いや、それ以上の鮮烈さで令和の時代に蘇りました。当時の劇場公開を知るファンにとっては最高の思い出補正の回収になり、まだ観ていない若い世代にとっては、日本のアニメーションが到達したひとつの極致を目撃する絶好の機会になるはずです。
もし今後、どこかの劇場での再上映や特別配信の機会を見つけたら、迷わず鑑賞することをおすすめします。大画面と極上の音響で体験するAKIRAは、あなたの映画観を大きく揺さぶる特別な時間になるでしょう。
「爆音映画祭」の候補にもいれてもらえないものでしょうか。
0 件のコメント :
コメントを投稿