「アップサイドダウン 重力の恋人』」|圧倒的な映像美で描かれるSFファンタジー|原題:Upside Down


「スパイダーマン」のヒロイン「キルスティン・ダンスト」主演のちょっと変わった、SFラブストーリー「アップサイドダウン」見てきました!

作品紹介

予告

あらすじ

“二重引力”が存在する世界。真反対に引力が作用する双子の惑星は、貧困層の住む“下の世界”と、富裕層の住む“上の世界”に分かれ、両世界間の交流は法で厳しく禁じられていた。 下の世界に住む少年アダムは、上の世界の少女エデンに出会い、二人は恋に落ちる。だが、二人が一緒にいるところを境界を監視する警備員に見つかってしまう。急いで上の世界へ戻ろうとしたエデンは落下し、頭を強く打って意識を失う。 10年後。偶然エデンの生存を知ったアダムは2つの世界を唯一繋ぐ「トランスワールド社」に入社する。危険を承知で上の世界へ潜入し、エデンとの再会を試みるが・・・。 重力が真反対に働くそれぞれの世界に捕らわれたアダムとエデン。果たして二人は、この運命に打ち勝つことができるのか―?(AMAZONより引用)

所感

巨匠の血を受け継ぐ監督が魅せる、予想外のファンタジー感

アルゼンチン映画界の巨匠といえば、社会派ドキュメンタリーの傑作『ラ・オラ・デ・ロス・オルノス』などで知られるフェルナンド・E・ソラナスですが、本作はその息子であるフアン・ソラナスが監督を務めています。 社会派で鳴らした父親とは打って変わり、息子はゴリゴリのビジュアル重視派。 一見するとSFとラブストーリーという、一体どの層をターゲットにしているのか少し戸惑う組み合わせに思えましたが、予告編で見た圧倒的な映像美に惹きつけられ、思わず劇場へ足を運んでしまいました。

実際に観てみると、ハードなSFというよりは、ファンタジー要素の強いライトなラブストーリーといった趣き。これが思いのほか悪くない仕上がりになっています。

ストーリーの王道さを補って余りある、二重引力世界のビジュアル

上空でギリギリのバランスを保ちながら引き合う、富裕層の星と貧困層の星。二つの世界は法律で互いの干渉を厳しく禁じられているものの、それぞれの星に住む若い男女が惹かれ合っていく…という、言ってみれば『ロミオとジュリエット』的な王道の展開です。 結末がハッピーエンドに転ぶかバッドエンドに向かうかを含め、大筋のストーリー展開はある程度予想がつくかもしれません。

しかし、この映画の真の魅力は物語の目新しさではなく、二つの重力が存在する世界を幻想的に、そして見事に映像化しきっている点にあります。 とくにポスタービジュアルにも採用されている、上下の世界の接点となる0フロアの描写は必見です。お互いの天井が相手の地面になっていて、それぞれが逆さまの状態でオフィスワークをしているという、

エッシャーのだまし絵がそのまま現実になったかのような不思議な空間は一見の価値があります。

悪役不在?意外とマイルドな富裕層の描写と主人公の暴走

鑑賞前に抱いていたイメージと少し違ったのは、上の世界(お金持ちの星)に住む人々の描かれ方です。SFディストピアものでありがちな、下層民を徹底的に痛めつける極悪非道な支配層を想像していたのですが、意外と主人公に協力してくれる良い人もいたりとマイルドな設定。低賃金労働でこき使ったり、見下したりする描写はあるものの、人権を完全に踏みにじるようなことはなく、国境を護る冷酷な処刑人なども登場しません。

重力がひっくり返っていることと明確な境界線があるだけで、格差社会という点では現代の現実世界とそこまで変わらないリアルな温度感です。エンタメとしてはもう少し過激に誇張した描写でも面白かったかなとも思いますが、その平和な世界観のせいで、危険な橋を渡る必要がないのに単独で暴れまわる主人公が、見方によってはややストーカー気味の危ない奴に見えてしまうのはご愛嬌。細かい理屈を突っ込むSFではなく、ファンタジー童話として観ればすんなり受け入れられるはずです。監督の卓越したビジュアルセンスが光る佳作として、次回作にも大いに期待が高まります。

ヒロインのキャスティングにまつわる個人的なモヤモヤと小ネタ

最後に、個人的に少しだけ残念だったポイントを挙げるとすれば、ヒロインのキャスティングです。サム・ライミ版『スパイダーマン』のMJ役でおなじみ、キルスティン・ダンストが演じています。

スパイダーマンといえば、雨の中での逆さ吊りキスシーンが映画史に残る名場面として有名ですが、本作のタイトルが『アップサイドダウン』であることを考えると、逆さまの恋愛繋がりで彼女に白羽の矢が立ったのでは…なんて小ネタ的な勘ぐりをしてしまいます。

役者としてはもちろん素晴らしいのですが、こうした恋愛映画の場合、どうしても主人公の目線でヒロインに感情移入できるかが鍵になります。完全に好みの問題ではありますが、短い期間の交流しかない彼女のために、主人公がそこまで命を懸けるか?と少し冷めてしまう瞬間がありました。『タイタニック』でケイト・ウィンスレットを見た時に感じた、あの特有のモヤモヤ感に近いかもしれません。ただ、それを含めても独自の映像体験としては十分に元が取れる一本です。


蛇足の一本

さて、蛇足のつながり一本紹介は
ビジュアルが心に残ったつながりで思い出した
「ダーク・シティ」
アップサイドダウン同様、知名度はないと思いますが
話も映像も、いろいろな仕掛けがあり楽しめました。

お話は、

太陽の昇らない町である日目覚めた記憶のない男。
傍らには、女の死体。
当然のことながら、犯人として追われることに。

逃亡中、少しずつ記憶の断片をさぐり
自分が何者であるかを追うなかで、
この闇の町の触れては行けない秘密にふれてしまい
謎の殺人集団に追われることとなる。

と、どうです?べたですがおもしろそうでしょう。

僕はこの話あまり予備知識なく見にいったのと
始まる直前トイレにいって冒頭の語りの部分
(ここで落ちを想像できることを言ってしまってます)
を見逃して、主人公が目覚めるところから鑑賞しだしたので
作品の展開が読めずすごく楽しめました。
(なので、僕はこの映画は数分飛ばしてみる見方をススめています)

当時は、セブンがヒットして以降の
猟奇殺人+謎解き的なものがはやってたので
そういう作品の亜流かなーくらいに思っていたら
どえらく裏切られて、ラストは「アキラ」のごとくサイキックバトル。

ストーリーも面白かったですが、秘密のある町のビジュアルも
すごく印象に残りました。

おちも、タイトルにダークとついてるし、
バッドなほうだろうと思いきやハッピーエンド。

秋の夜長に、是非。
オススメB級映画です!

 

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