日ごろの鬱憤を晴らしてもらえそうな映画「ゴッド・ブレス・アメリカ」 みてきました!
作品紹介
予告
あらすじ
ビルマーレーの実弟ジョエル・マレーが演じる、冴えない中年フランク。職場では受付の女性励ますために、よかれと家に花を送ったことで、ストーカー扱いでクビ。
その一部始終を目撃していた女子高生ロキシーは、彼を追い
所感
爽快な復讐劇……ではない?期待を裏切るブラックな手触り
一見すると、マナーの悪い奴らや無礼な連中を成敗していく、ダークで爽快な世直し映画に見えます。しかし、その期待を持って鑑賞すると、僕のように「あれ?」という感覚に陥るはずです。
まず、最初の犠牲者となる女子高生にしても、確かに嫌な奴ではありますが、テレビを消せば済む話。殺害するほどの動機としてはあまりに弱く、観客として共感の置き所に困ってしまいます。映画館で携帯を使うマナー違反者が撃たれるシーンなどは「よくやった!」と思える瞬間もありますが、全体を通して「そこまでやるか?」という違和感がつきまといます。
ヒーロー不在のロードムービー:説教臭いおっさんと異常な少女
バディを組む二人のキャラクター造形も、意図的に「愛しにくく」設定されている節があります。
フランク: 絶望を抱えた中年男ですが、決して不器用で善い人間というわけではありません。ユーモアに欠け、常に自分の正義を振りかざす説教臭いタイプ。もし身近にいたら、むしろ鼻につくような人物として描かれています。
ロキシー: フランクのような切実な背景があるわけではなく、ただ殺人を地続きで行う、客観的に見れば完全に異常な女子高生です。
この「冴えない中年」と「いかれた女子高生」が逃避行を繰り広げる様は、名作『ボニーとクライド/俺たちに明日はない』へのオマージュ(皮肉?)のようにも見えます。
豆知識:監督ボブキャット・ゴールドスウェイトの視点
監督のボブキャットは、かつて過激な芸風で知られたコメディアンでした。彼がこの映画で描きたかったのは「正義のヒーロー」ではなく、「自分の正義が一番正しいと思い込み、他者への不寛容を暴力で解決しようとする滑稽さ」なのかもしれません。フランクが説教臭いのも、実は作り手による意図的な演出と言えるでしょう。
救いなきドンデン返しの果てに
物語が進むにつれ、腑に落ちない感覚は募りますが、それらを一気にまとめ上げるのがエンディングです。
詳細は伏せますが、待っているのは救いのないドンデン返し。 このオチを見た瞬間、それまでの「なぜこんなに共感できないのか」「なぜこんなに独りよがりなのか」という疑問が、パズルのピースが埋まるように解決します。この映画が、単なるバイオレンス・アクションではなく、極めて冷ややかな「皮肉」で塗り固められた作品だったことが露呈するのです。
鑑賞のベストタイミング:心に余裕がある時にこそ
評価が非常に難しい映画ですが、一つ言えるのはストレスが溜まっている時に観る映画ではないということです。
むしろ、心が晴れ晴れとしている時に「アメリカの病理やメディア文化への皮肉」を冷やかしながら、ブラックジョークとして笑い飛ばすのが正しい作法なのでしょう。そうしたメタな視点で眺めれば、この作品のスコアはぐっと上がるはずです。
鬱憤を晴らすための「スカッとジャパン」的な期待は禁物。 現代社会の歪みをゲラゲラ笑いながら観察できる、心の余裕がある夜に、ぜひデトックス感覚で挑戦してみてください。
蛇足の1本「フォーリングダウン」
ということで、蛇足のもう一本はこの映画に求めていた鬱憤爆発系で壮快だった
マイケルダグラスの「フォーリングダウン」。
彼の映画としては、知名度が低く評価の割れる映画ではありますが
鬱憤爆発系が見たい方には、オススメです。
すごく共感できる怒り方をしてたし、
地味なサラリーマンが、トラブルに巻き込まれるたびに
武器をゲットしていくストーリー展開がおもしろい。
ラストも何とも切なく、
かなり昔に見た映画ですが、記憶に刻まれている映画のひとつです。
当時、こういうなんのジャンルかわかりにくい映画ってめずらしかったんちゃうかなー。
トレーラーもなかった。
0 件のコメント :
コメントを投稿