ブラックボックスの音声解析という地味な作業をテーマにしたサスペンス「ブラックボックス 音声分析捜査」見てきました!
作品紹介
予告
あらすじ
ヨーロピアン航空の最新型機がアルプスで墜落し、乗客乗務員316人全員が死亡。さらに、事故機のフライトレコーダー、通称「ブラックボックス」を開いた航空事故調査局の音声分析官ポロックが、謎の失踪を遂げる。ポロックから調査を引き継いだマチューは「コックピットに男が侵入した」と記者会見で発表。乗客にイスラム過激派と思われる男がいたことが判明したことで、マチューの分析は高く評価される。ポロックに代わる責任者としてさらなる調査を続けるマチューは、被害者の一人が夫に残した事故直前の留守電を聞く。しかし、その音がブラックボックスに残された音と違う事実にマチューは愕然とする。(出典:映画.com)
所感
音が主役の映画は信用できる
個人的な偏見かもしれませんが、
「音」にスポットを当てた映画って、外れが少ないという勝手なイメージがあります。
ソナー音を頼りに神経戦を繰り広げる潜水艦映画だったり、
電話越しの声とわずかな物音だけで誘拐事件の真相に迫る「ギルティ」。
視覚を奪われた主人公という点では、古くは「座頭市」シリーズ、西洋版とも言えるルドガー・ハウアー主演の「ブラインド・フューリー」。
最近なら「デアデビル」や「ドント・ブリーズ」シリーズもそうですね。
後半に挙げたアクション寄りの作品はさておき、
共通しているのは「見せられない分、脚本と演出が丁寧にならざるを得ない」という点。
視覚情報に頼れないからこそ、音、会話、間の取り方で観客を引っ張る必要がある。
結果として、密度の高い作品になりやすい。
今回の「ブラックボックス 音声分析捜査」も、まさにその系譜に連なる一本で、
個人的にはかなりの当たり映画でした。
ブラックボックスと孤独なおっさん
事故機にまつわる謎を解析するうち、巨大な闇に触れてしまい、
いつの間にか自分自身が危険に巻き込まれていく。
この構図自体は「パッセンジャー」を思い出します。
あちらは、アン・ハサウェイ演じるコミュ力お化けの美人カウンセラーが、
生存者たちとの会話の中から少しずつ真実に迫っていく物語。
対して本作の主人公は、ほぼ正反対。
人付き合いが苦手な、いかにも職人気質のコミュ障なおっさん。
彼が向き合うのは人間ではなく、回収されたブラックボックスの「音」だけです。
狂ったように音を聴くというかっこよさ
防音された個室で、ヘッドホンをつけ、
同じ録音音声を何度も何度も、狂ったように聴き返す主人公。
解析が進むにつれて、これまで気づかなかったかすかな音が浮かび上がり、
それらを手がかりに、主人公の脳内で事故当時の状況が立体的に再構築されていく。
この描写、想像しただけでかっこよくないですか?!
人を選ぶが、刺さる人には深く刺さる
派手なアクションはほぼありません。
ひたすら「聴く」「考える」「疑う」。
ここを面白いと思えるかどうかが、この映画との相性を分けるポイント。
ブラックボックスの音声を聴き込み、断片的な音から真相を組み立てていく姿に
「うわ、渋い…」と痺れた人は、間違いなく楽しめるはず。
逆に、テンポの良い展開や分かりやすい盛り上がりを求める人には、
少し地味でしんどい作品かもしれません。
まとめ|真相よりも過程を楽しむサスペンス
真相そのものは想像しやすい、王道のパターンです。
しかしこの映画の本当の魅力は、そこに至るまでの過程。
音を手がかりに少しずつ世界が形を持ち始め、
確信に近づくほど主人公の精神も追い詰められていく。
その演出がとにかく秀逸で、最後まで緊張感が途切れません。
派手さはないけれど、静かに、確実に刺さってくるサスペンス。
「音」をキーにした映画が好きな人には、強くおすすめしたい一本です。
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