映画日記「ブランカニエべス」

ちょっとさかのぼりますが「ブランカニエべス」を見ました。
丁度十日戎と同時期にみましたが、神社のえべっさんとはまったく関係ありません。

あらすじ

天才闘牛士の娘カルメン。彼女が生まれると同時に母は亡くなり、父は意地悪な継母と再婚。カルメンは邪悪な継母に虐げられる幼少期を過ごす。ある日、継母の策略で命を奪われかけた彼女は、“こびと闘牛士団"の小人たちに救われ、「白雪姫(ブランカニエベス)」という名で彼らとともに見世物巡業の旅に出る。そんな中、女性闘牛士としての才能が開花したカルメンは、行く先々で圧倒的な人気を得るようになるのだが…。
楽天より引用

所感

作品は、グリム童話の「白雪姫」をモチーフにしたダークファンタジーというふれこみ。
さらにはモノクロのサイレントというこで、結構見る人えらんじゃう映画なんですかね。

映画のポスターには大きく「パンズ・ラビリンス」にでていた「マリベル・ベルドゥ」が出演していて、ダークファンタジーってうたい文句がついてりゃ、どうしたって同系の暗くて渋めなファンタジーを期待しまいますが、ダーク以前にファンタジーでもありませんでした・・。

音楽や踊りなどの映像は申し分なく悪くはなかったんですが、そういうの期待した部分は肩透かしかな。

ちなみに、今回の作品でマリベル・ベルドゥはゴヤ賞で主演女優賞とったらしいですね。
この写真みると元気できれいな方なんですが、
今回の作品では、設定上林檎を渡す魔女も兼ねる継母役。
久本雅美を邪悪にしたような感じで怖いですねー。
しかも、ポスター的にもなんかこの人のほうが主役的な扱いですねー。
Before 「パンズラビリンス」の優しいマリベル・ベルドゥ
After「ブランカニエベス」の邪悪な久本雅美風マリベル・ベルドゥ

題名の「ブランカニエビス」というのは、スペイン語で「白雪姫」のことらしく
その題名どおり、小人の闘牛士の一団に命を拾われてからが、白雪姫になぞらえた感じなんですが、そこに至るまでの子供時代の描写が長く、なかなか白雪姫っぽくならない。

逆に、白雪姫っぽくなってからは結構短く、女闘牛士になってからの展開は短くあっけなかったりします。
この辺の配分は逆にできなかったのかなーとか思っちゃいました。

モチーフにしている部分については、小人が7人ではなかったりと適当だったりなんの複線もなく、モチーフにのっかただけの毒林檎がでてきたりと(せめて子供時代に林檎が大好きだというエピソードでもあれば別ですが)ちょっと安易で、いまいち生かせてる感じがせず

「47Ronin」と同じく、無理になぞらえずオリジナルストーリでいったらええんとちゃうの?
とも思いました。(フラメンコ踊る女闘牛士という設定だけで十分面白くできると思う。)

しかもラストのおちは、え!そんな感じなの!?
ってことで、ちょっと言えませんが、賛否分かれるラストだと思います。

なんというか、この作品はラスト含めて他の人がどういう風に感じてるかとても気になり
レビューを見渡してみましたが、大方予想通りな感じで賛否わかれてました。

大きく分けると、
きれいな映像と音楽だけで満腹的な女子派
もうちょっと話と演出がんばれよっていう男子派
な感じでしょうか。

どっちも否定しないし正しい感想だと思いますが
僕は男子派かな。
(別にバッドエンドが嫌いなわけではないですが・・)

このへんのわれ方は、男が「パシフィック・リム」すげーよって
いってるのと同じ感じなのでしょうか・・・。


さて蛇足の1本は一度「ダークフェアリー」の回でも紹介済みですが再度。
マリベル・ベルドゥもでている「パンズ・ラビリンス」です。

「パシフィック・リム」のギルレモ監督のこちらの作品は、
ダークファンタジーの代名詞的な作品だと個人的には思っています。

内戦後のスペインに生きる、不遇な境遇の少女のお話で。
現実世界のつらさから、おとぎ話(妄想)の世界に逃げ込んだ彼女が
現実とも妄想ともわからないまま数々の試練をうけついには・・・

という感じのお話なんですが、
なんで再度これを蛇足の一本にしたかというと
スペインと俳優つながりというのもあるのですが
この映画のラストのような含みのあるものに
「ブランカニエビス」のラストもしてほしかったなーと思ったからです。

たぶん、ラストに文句レビュー出してる人は
こういう系のどうとでもとれるラスト求をめてたんじゃないかなーって
勝手に思いました。

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