映画日記「クラウドアトラス」


お金かけた大作っぽいだけど、変に人間ドラマ感が全面にでてる感が微妙だなと思いつつ、けどレビューでは高得点もあったりで、迷いながらも最終週にすべりこんでの鑑賞。

あらすじ

主人公は、6つの時代と場所で、6つの人生を生きる男。その人生は悪人で始まるが、様々な数奇な経験を経て、ついには世界を救うまでに魂が成長していく男の物語だ。
楽天より引用

所感

感想は、やはり微妙。
内容はというと、
1800年代から始まる、過去3編、現代1編、未来2編
計6編のお話が平行して進む、おおきな時間軸をこえた群像劇です。

各時代のストーリーラインは、コメディありシリアスありと、
変化はつけているのですが
最初は、細切れの同時進行で、登場人物が頭にはいりきるまでは
ストーリーを追うどころじゃなく、なかなか大変。

頭が整理された中盤は、細切れのストーリー展開にもなれだして面白くなりだすのですが、
結局そんなすごいつながりが発生するわけでもなくエンディング。
ちょこちょこみる良点のレビューでは、「カタルシスがーすげー」
みたいなこと書いてあって期待してしまったんだけど
ハードルあげちゃったせいか、なんか終盤不完全燃焼。
おちも??終わり?そんだけ?
みたいな感じでした。

あと、同じ役者が各時代に出演してるんだけど
(これがまったくわからんぐらいのメーキャップのものはいいんだけど)
だれかわかる場合、ストーリー上、先祖子孫等なんらかの
関係があるものと思い込んでしまって、
よけー深読みをしてしまい、さらにわかりにくく感じてしまいました。
(一応輪廻転生もテーマにしてるらしいですが、
ほぼ同キャストキャラの関係性はあまりないと思ってみたほうがわかりやすいと思います)
金と時間かけたメーキャップをしてまで、同キャストを使用する意味は、正直さっぱりわかりません。
こんな役柄多い映画、もっと安い役者ばんばんつかったったらええんちゃうの?
と思ってしまいました。(つながりのあるキャラはいいけど)


金かかってるから、映像はすごい。
役者もトムハンクス、ハルベリー、ヒューゴウェービング等 大物たくさん。
けど、なんか微妙。
見る前から感じてた、微妙感はそのまま。
という感じでした。

あと、お話淡々系(中盤はちょっと盛り上がるけど)で尺も長いです(172分!)。
丁寧には作ってあるので、最後まで落ちずにみれましたが
二度見る気はないなーという感じでしょうか。
映画館でみるならありというところでしょうか
60〜70点くらいかなー。

ちなみに、未来編でアジアの都市がクローズアップされるんだけど
今まで、こういうサイバーパンクでアジアな未来はネオ東京
ってのが多かったけど、今回はネオソウル。
90年代くらいの映画にでてくる電化製品、パソコンって
ほとんどソニーを始め、日本製品多かったけど
今じゃ、サムスン、LG電子。
リアルの日韓の栄枯盛衰を感じてしまうなー。

まー、ちょっと低めの点数でしたが
原作者の「デイヴィッド・ミッチェル」さん
は、結構新しい作家さんで広島に住んでいたこともあるらしく
奥さんも日本人とのこと。
だったら、なおさらなぜネオソウル!?と突っ込みたい心はおいといて
こういう壮大な話って、映像で伝えにくいもんだとおもうので
オリジナルがどうなのかは気になるところですね。
原作も、一度読んで見ようかとも思いました。


蛇足の一本

さて蛇足の一本紹介は、90年代のワード、群像劇つながりで
「ボルケーノ」

トミーリージョーンズ主役のディザスタームービー。
96年公開の作品なのですが
この時期、やたらとこの手の災害という
勝てないラスボスに立ち向かう的な映画が乱立してたように思います。
しかも結構ネタかぶりも多い。
(「ツイスター」「ディープインパクト」「アルマゲドン」「ダンテズピーク」「フラッド」等)
そんなちょっと大味な作品の多いなか、これは結構地味だけどいい味だしてると思うのです。
ネタかぶりの「ダンテズピーク」が、火山の噴火にただひたすら逃げ惑うだけなのに対して
こちらは、ちゃんと個々の人間が、それぞれの立場で脅威に立ち向かいます。
しかも爆発する場所が、ロスのど真ん中という設定もいいです。
また、個々のキャラが己の職務をまっとうしていく形で立ち向かう様は、
「アルマゲドン」みたいな元ヤンあがりみたいなあほおっさん達に、
未来を託すような展開でなく、とても好感がもてます。
他の作品群とくらべると地味目だけど良作なので
災害もの好きで見てない人は、是非。


0 件のコメント :

コメントを投稿