映画日記「偽りなき者」 (原題「Jagten」)


デンマーク版「それでも僕はやってない」みたいな「偽りなき者」みてきました。

先日のジャンゴは、「繋がれざる者」でしたが今回は、「偽りなき者」 。
ちょっと珍しいデンマークの映画です。
予告を見ていただければだいたい想像はつくかと思いますが
デンマーク版「それでも僕はやってない」みたいな感じです。

ただケースが、単なる痴漢冤罪ではなく親友の娘に対するいたずらという
重くめんどくさいケースなのでとてもたちが悪いのです。しかも田舎。

弱者への過剰保護が、刃になるケースって
文明社会ほどありがちなので、こういう問題提起の映画は歓迎するけど、
テーマ重いのでちょっと覚悟のいる映画です。
それでも、丁寧にとりきってるので最後まで気を抜かずにみてしまいました。
(それ故に、ラストの一撃に、イヤーなものを引きずったまま帰らないといけませんが・・)

この話、鑑賞者は俯瞰でみてるので
主役が無実なのはわかりますが、
こういうケースって現実でもきっとありえて
各立場の人の気持ち考えると
主人公を追いつめる側の気持ちも理解できて複雑。

ただ、ケースがデンマークの田舎ということでなのか
特殊すぎる部分もあり
バッシングの酷さに、日本ではここまではなさそうだなーっとも思ったりも。
というか、ペット殺されたり、巨大な石の投石があったり
そんなことされたら、立場逆転するんじゃないかなー。

それと、いったん罪が晴れて釈放された後、
町の人と交流する姿は
ちょっとデンマーク人の感覚(この人だけか?)疑う部分もありました。
あれほどのバッシングに回った人間といまさらよろしくやれるかー?
しかも、嘘こいた張本人の子供をだっこするとかありえんやろ。
自分やったら、抱き上げたらそのままパワーボムやろなー。
とか思いながら、なんかちょっと違和感ありありでした。
(結局その違和感間が、やなラストにつながるのですが・・)

たまに、携帯やゲームに夢中なあほガキが
とまってる僕の足にぶつかってきて
謝るより先に、子供の怪我気遣う馬鹿親いるけど
こういう馬鹿親には、是非みといてもらいたい一本でした。
あ、あとアグネスチャンとかも。

正直、
途中たまりかねた主人公が、村人の集まる教会のクリマスミサに乗り込んで
言いたいこと吐き出すシーンがあるんだけど
どうせなら、教会に鍵かけて火つけて
逃げ惑う村人を狩る復讐鬼と化すようなB級展開のほうがわかりやすくてすっとしたな。

蛇足の一本

蛇足の一本は、近いテーマの「それでも僕はやってない」
こっちは、邦画、周防監督作品なので肩の力を抜いて楽しめます。
エンディングは「偽りなき者」と同じくバッドエンドですが
のりが軽いですし、友人たちが悪意をむけず協力者になってくれるので救いがあります。
日本では、こっちのケースのほうが多そうな気はするんだけどなー。


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