「俺たちのアナコンダ」

 作品紹介

予告

あらすじ

少年時代から映画を愛してきた幼なじみのダグとグリフは、1997年公開のパニックスリラー映画「アナコンダ」をバイブルとして崇めていた。40代を迎えた現在、ダグは映画監督の夢を諦めて結婚式カメラマンの仕事に従事し、グリフは売れない俳優として暮らしている。ある日、地元のパーティで再会した2人は、長年の夢だった「アナコンダ」のリメイク版を自主制作するべく立ち上がる。友人たちを引き連れて南米アマゾンへ向かった彼らは、低予算ながらも順調に撮影を進めていくが、グリフが誤って主役のヘビを殺してしまうトラブルが発生。代役のヘビを探そうとジャングル奥地へ足を踏み入れたものの、そこには巨大なアナコンダが潜んでいた。

所感

懐かしさとバカ騒ぎが同居する異色リブート

学生のころに劇場で観たアナコンダ。あのシンプルかつ強烈なモンスターパニックは、いま思い出しても妙に印象に残っています。

なかでも有名なのが、ジョン・ボイド演じるキャラクターのあの最期。丸のみされたうえに、まさかのリバース付きで吐き出されるという衝撃シーン。あれはトラウマ級でしたね。アンジェリーナ・ジョリーが父の出演作を観てびっくりした、なんて逸話も妙に納得できます。

そんな記憶があるだけに、今回のリブートと聞いて期待しないわけがない。しかしキャストを見て一瞬フリーズ。ジャック・ブラックにポール・ラッド?どう考えてもコメディの匂いしかしない。これは一体どんな方向に振るのかと、半ば困惑しながら鑑賞。

映画を撮りに来たはずが本物に遭遇

物語は、リブート版アナコンダを撮ろうとジャングルに向かう4人の男たちから始まります。ジャック・ブラック演じるダグ、ポール・ラッド演じるグリフを中心に、かつて子供のころから映画を撮ってきた仲間たち。

その延長線上にある今回の企画。しかし現地で待っていたのは、当然ながら脚本どおりにはいかない現実。本物のアナコンダが彼らに牙をむきます。

この設定がまず面白い。作り物の恐怖を撮りに来た人間たちが、本物の恐怖に直面するというメタ構造。単なるリブートではなく、映画そのものをネタにしているあたりが本作の肝です。

スティーブン・キング的な青春の残り香

意外だったのは、物語のトーン。バカ映画かと思いきや、意外としっかり人間ドラマが軸にあります。

夢をあきらめたダグと、夢に破れたグリフ。この2人を中心に、かつて同じものを目指していた仲間たちの現在と過去が交差していく構成は、どこかスティーブン・キング作品のような空気感。

スタンド・バイ・ミー的な、あの頃の輝きと現在の現実。その間にある距離を、笑いとちょっとした切なさで埋めていく感じが心地いい。

アナコンダは主役にあらず、しかし存在感は十分

本作の面白いところは、アナコンダが完全な主役ではない点。むしろ、映画づくりに取り憑かれた大人たちのバカ騒ぎがメインで、アナコンダはその背景で暴れ回る存在です。

とはいえ、その扱いが雑かというとそうでもない。過去作へのリスペクトはかなり深く、随所に挟まれるうんちくネタや、ファンならニヤリとするカメオ出演など、シリーズ愛はしっかり感じられます。

メタ視点でのアナコンダ解釈も含めて、単なるパロディでは終わらせていないのが好印象。

バカ映画だけど刺さる人には刺さる

終盤はしっかりモンスターパニックとして盛り上がり、アナコンダもきっちり大暴れ。最終的にはちゃんとエンタメとしてのカタルシスも用意されています。

全体としてはかなりバカ寄りの作品ではあるんですが、映画を撮ることが好きな人、ものづくりに未練や情熱を抱えている人には、妙に刺さる部分があると思います。

そして何より、1作目を観ている人にはニヤリとするポイントがとにかく多い。あの時代のアナコンダを知っているからこそ楽しめる仕掛けが随所に散りばめられています。

まとめ

懐かしのモンスターパニックをベースにしつつ、メタ構造と人間ドラマを掛け合わせた変化球リブート。
ジャック・ブラックとポール・ラッドというキャスティングの時点で方向性は察せますが、その期待をいい意味で裏切る不思議なバランスの作品です。

バカ映画として笑うもよし、夢と現実の話としてしみじみするもよし。
そして何より、アナコンダ好きなら一度は観ておいて損はない一本です。

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