作品紹介
予告
あらすじ
所感
― 陰キャ vs 陽キャ、その構図がすべて ―
「HELP/復讐島」は、一言で言うと「陰キャ対陽キャの戦い」を描いた映画です。
ジャンルとしてはサバイバル・スリラー寄り。しかし根底にあるのは、もっと身近で、もっと生々しい人間関係の力学。そんな空気感を、そのまま孤島という極限状況に持ち込んだような構図です。
感情移入の方向で、後味が変わる
本作の面白いところは、観る人がどちらの立場に感情移入するかによって、ラストの印象が大きく変わるところ。
物語の帰結そのものよりも、「誰の目線で観るか」が重要になるタイプの作品です。
同じ展開でも、ある人には爽快に映り、ある人には重く刺さる。
私はというと――とてもすっきり受け取れました。
それだけこの映画は、観客それぞれの過去の経験や価値観を刺激してくる作りになっています。
しびれた一言
劇中で特に印象に残ったのが、
「やさしさが弱さだとは思わないほうがいい」というニュアンスのセリフ。
この作品のテーマを象徴するような一言で、思わずしびれました。
静かに積み重なってきた感情が、言葉として輪郭を持つ瞬間。
単なる復讐劇ではなく、価値観のぶつかり合いの物語であることを強く感じさせます。
やさしさと弱さはイコールではない。
このメッセージがあるからこそ、ラストの余韻もより強く残るのだと思います。
「笑う骸骨のアップ」にニヤリ
全体的にはシリアス寄りですが、映画好きが思わずニヤッとする遊びもあります。
ジョン・ウー監督といえば鳩の舞うスローモーションが有名ですが、それと同じように、サム・ライミ監督作品を思わせる「笑う骸骨のアップ」が登場。
あの唐突さと妙なテンションは、ホラー好きなら思わず反応してしまうはず。
緊張感の中に差し込まれる、ちょっとしたジャンル映画的サービス精神。こういう遊び心は大歓迎です。
レイチェル・マクアダムスの振り幅
そして印象的だったのがレイチェル・マクアダムス。
「見たことあるけど、何でだっけ?」と鑑賞中に思い出せず、あとで調べて納得。
『シャーロック・ホームズ』シリーズや『ドクター・ストレンジ』シリーズに出演していました。
本作では、ちょっと風変わりなおばさんのような雰囲気と、洗練されたキャリアウーマン的な顔を見せる場面があり、そのギャップに驚かされます。
同じ俳優とは思えないほどの印象の違い。改めて演技の幅広さを感じました。
人間関係の縮図としてのスリラー
表面上は復讐を軸にしたスリラーですが、本質はもっと普遍的な人間関係の縮図。
優越感と劣等感、支配と反発。
誰もが一度は触れたことのある感情が、極端な形でぶつかり合います。
そのぶつかり合いをどう受け止めるかで、評価も後味も変わる映画でした。
まとめ
・陰キャ vs 陽キャというわかりやすい構図
・感情移入の方向で印象が変わるラスト
・「やさしさが弱さだとは思わないほうがいい」という刺さるメッセージ
・サム・ライミ的な「笑う骸骨のアップ」という遊び心
・レイチェル・マクアダムスの振り幅ある演技
万人向けとは言いませんが、心のどこかに昔のモヤモヤを抱えている人には刺さる一本かもしれません。
私は、かなり気持ちよく観終えることができました。
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