「RUN」 原題:Run

 おかあさん版ミザリー。
「RUN」見てきました!

作品紹介

予告


あらすじ

郊外の一軒家で暮らすクロエは、生まれつきの慢性の病気により、車椅子生活を余儀なくされていた。しかし、前向きで好奇心旺盛な彼女は地元の大学への進学を望み、自立しようとしていた。ある日、クロエは自分の体調や食事を管理し、進学の夢も後押ししてくれている母親ダイアンに不信感を抱き始める。そして、クロエの懸命な調査により、ダイアンが新しい薬と称して差し出す緑色のカプセルが、けっして人間が服用してはならない薬であるということが判明してしまう。(出典:)

所感

「search」監督の次の一手

インド出身のアニーシュ・チャガンティ監督といえば、
前作はほぼPC画面だけで物語を進めるというアイデア勝負の快作「search」。

どんでん返しあり、しかもこの手の作品では珍しい、しっかりとしたハッピーエンド。
個人的にもかなりべた褒めした一本でした。

そんな監督の新作ということで、どうしても期待値は上がりますが、
今作「RUN」は「search」ほどの構造的なひねりはありません。

ストレートなおかあさん版ミザリー

物語はかなりシンプル。
序盤からほぼ種明かしをしつつ、
狂った母親から娘クロエがどうやって逃げ出すのか、
その一点にフォーカスしたストレートなお話です。

言ってしまえば、おかあさん版ミザリー。

ただ、この割り切りが逆に効いています。
余計な設定説明やミスリードに時間を使わず、
「この状況、どう切り抜ける?」をひたすら積み重ねていく構成。

逃げ場のない状況が生むヒリヒリ感

車椅子生活という身体的ハンデ、
家という閉ざされた空間、
母親という絶対的な存在。

この条件が揃った時点で、もう逃げ場はありません。
クロエが四苦八苦しながら活路を探す姿には、
自然と感情移入してしまい、文字通り手に汗を握る展開。

派手な事件が起こるわけではないのに、
一瞬息をするのを忘れるほどの緊張感が続きます。

サラ・ポールソンの静かな狂気

サラ・ポールソン演じる母親がとにかく怖い。
怒鳴るわけでも、露骨に暴力的になるわけでもないのに、
優しさの裏に張り付いた支配欲と狂気がじわじわと滲み出てくる。

視線や間、ちょっとした行動だけで空気を支配する演技はさすが。
叫び声に頼らない恐怖演出が、この映画の質を一段引き上げています。

90分に凝縮された脱出バトル

上映時間は約90分。
娘の脱出をかけた壮絶なバトルを、無駄なく凝縮した構成で、
中だるみする暇は一切ありません。

驚天動地のどんでん返しを期待すると物足りないかもしれませんが、
その代わりに得られるのは、最初から最後まで続くヒリヒリ感。

まとめ

短く、ストレートで、確実に緊張感を与えてくれる一本。
「search」のような仕掛け重視ではなく、
演出と役者の力で押し切るスリラーでした。

ヒリヒリしたい夜に、ちょうどいい。
そんな映画です。


製作: 2020年アメリカ
時間:90分



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